■  小笠原ユースホステル お客様に聞く - さとし様

小笠原に、この7年間で14回来ているというさとし氏は、知人の誘いでなんとなく訪れた初の小笠原で、大きな気持ちの変化を感じたそうです。小笠原で出会った人や海、環境、生活リズムを通じて、辿り着いたのは、「楽しい」というシンプルな感情だったとのこと。小笠原に何度も訪れる中で感じた事を詳しく聞きました。

もくじ 
  1. 知人に誘われたのがきっかけ
  2. 初の小笠原で、「こんなに楽しいの、いつ以来だろう」ってくらい(笑)、新鮮にさえ感じました。
  3. 全てのバランスを取りやすい
  4. 「自分」に戻れる
  5. ユースでは、色んな人に会えるという事が大きいです。
  6. 「自分、ちょっと充電したいな〜」と感じている方にも、おすすめだと思います
  7. 小笠原に、来てみて初めてわかる事、これが自分にとっては大きかったですね。

■ 知人に誘われたのがきっかけ

― お名前を教えていただいてもよろしいですか。

さとしです。

― ご職業はなにをされていますか。

今は、会社員です。

― 最初、小笠原に来たのは、いつ頃ですか。

2004年3月ですね。

― 最初、何がきっかけで小笠原にで来たのですか?

知人(恩師)に誘われたのがきっかけです。その時は、特に南の島に行きたいという気持ちはなかったのですが、「小笠原に行かないなんて人生の無駄遣い」だと(笑)。そこまでいいところなのかと思い、思い切って行くことにしました。今では、誘ってくれて大感謝です。


■ 初の小笠原で、「こんなに楽しいの、いつ以来だろう」ってくらい(笑)、新鮮にさえ感じました。

― 実際に来てみて、どうでしたか。

泊まった小笠原ユースホステルの第一印象は、世代を超えた修学旅行の宿。小学生から年配の方まで、老若男女問わず、色んな方が泊まっていました。「みんなで楽しもうぜ」という雰囲気が流れていました。でも当時の僕は、どちらかというとひとりになりたかった(笑)。


― それで、どうされましたか。

やはり、はじめ昼間なんかは、ひとりで行動していました。それが出来て良かったと思います。ユースには色んな人と関われる良さがあるけど、小笠原にはひとりになれる場所だってある。しかもその環境が抜群にいい。例えば、ウェザーステーションという、水平線が見える展望台があるのですが、そこで音楽を聴きながら時間を気にせず、思うがままにボーっとしたり。これ、最高ですよ。歌詞が違った聴こえ方しますから。ビックリです。ウェザーと音楽の化学反応で、何度も気持ちが晴れました()。あとは、フラ〜っと山を散策したり(水分携帯を忘れずに!)。こんふうに、ひとりになりたい時は、簡単にひとりになれるんです。

また、ダイビング機材を使わず、シュノーケルとマスク、フィンだけで、息を止めて海に潜っていくという「素潜り」を誘ってくれた知人に教えてもらいはじめました。これも教えてくれて、凄く感謝しています。今では、素潜りは小笠原でのライフワークになっています。他には、イルカと一緒に泳ぐツアー船に乗ったりもしましたね。

ユースでも、徐々に他のお客さんやヘルパーさん(宿のスタッフさん)と話したり、カードゲームで遊んだりするようになりました。ずっとひとりでいると、やっぱり人と関わりたくなりました(笑)。そこで一番大きかったのは、知人や他のお客さん、ヘルパーさん達が、僕を輪に呼び込んでくれた事。知らない人達の輪に飛び込むのは、やはり勇気がいるものです。さっきも言った「みんなで楽しもうぜ」という空気に、みんなのお陰で僕も乗ることが出来ました。呼び込み、輪に受け入れてくれたみんなに感謝ですね。どこかAWAYだったユースがHOMEに変わっていきました。仲良くなってくると、昼間も、他のお客さんと遊ぶようになったり。「ただ旅先で会った人達」が、いつの間にか良き「仲間」「友達」になっている。これには嬉しさや喜び、しっかりと実感できるものがありました。満たされるような充実するような気分になっていきました。良き「仲間」「友達」は今でも、これからもずっと僕の大切な財産です。

そんな小笠原ライフから自然と生まれたのが、「楽しい」という感情です。当たり前にありそうな感情ですけど、頭に「心から」をくっつけられるのが、それまでの内地生活と大きな違いでした。「こんなに楽しいの、いつ以来だろう」ってくらい(笑)、新鮮にさえ感じました。ホント、小笠原に来て良かったと思いました。


■ 全てのバランスを取りやすい

―  小笠原ではどんなことをしているのですか。

素潜り、ウェザーステーンでのんびり、ギター、たまにイルカのツアー船。思うがまま、解放的に過ごしています。


―  小笠原で、一番、楽しいことはなんですか。

一番楽しい事と言われると、難しいですね。素潜り、ウェザーステーション、人との関わりなど、楽しい事は沢山ありますが、要は全てのバランスを取りやすいのかな、と思います。話してきたように、ひとりになりたい時、みんなと話したりしたい時の行き来がしやすい。つまり、自分の中の「ひとり欲求」と「みんなで欲求」のバランスが変化しても、合わせやすいって事なんだと思います。

同じ様に、海に潜りたい時、山に登りたい時、ボーっとしたい時、これも自分でカスタマイズしやすい。それに、たとえ一日ボーっとしてたって「今日は今日でよかった」と思える(笑)。内地の自宅でそれをやると、どこか罪悪感のような後悔のような気分になってしまう事もあるのですが、ここでは、そう感じないですね。

これらを総合して、自分の「思うがまま」に近いところまで持って行けるから、楽になり、充電され、「楽しい」になるのかな、と思います。



■ 「自分」に戻れる。


― 小笠原には何回来ていますか。

7年間の間に14回来ています。

― なぜ小笠原にそんなに来ているのですか。

色んな要素があって、ひとつ言い切ることは出来ないのですが、あえてひとつ挙げるとすれば、「自分」に戻れる事だと思います。余計なものが削ぎ落とされていくような感覚というか、自分の「素」に近づける気がするんですね。その状態は、とっても楽なんです。自分の本来あるべき状態に戻れる気がします。これが、小笠原に何回も来る大きな理由のひとつだと思います。それが「楽しい」のベースになっている気もしますし。

― なぜ、自分の「素」に近づけるのでしょうか。

まずは、きっと素潜りによりますね。からっぽになれる。潜る時、僕が一番意識するのは、頭の中なんです。脳は、酸素を大量消費するらしいんです。だから、長く潜るためには、思考を極力抑える必要があります。極論を言えば、潜る時は頭の中を「無」にしたい。そのためには、身体の緊張を解く事も必要になってきます。最高に綺麗な海で「無」に近づく素潜り。これが心地良いんです。その毎日の積み重ねが、心を湖に例えるなら、その水面を静めていき、湖底にある自分の「核心」のようなものを見せてくれる気がするんですね。それが「素」に近づける、という表現になると思います。初めて行った時は、小学校1年生の時の感覚が顔を出しました。濁りが取れて「純粋」な部分が見えたんだと思います。

次に、やはりユースでみんなと楽しく話せる事が理由だと思います。「素」になったところで一度、バーっと湖をかき回すみたいな(笑)。聞いた話ですが、サンゴの白化を防ぐためには、もちろん透き通るくらいの綺麗な水が必要ですが、逆に台風で掻き回さないと、水温の関係かわからないですけどいけないらしいんです。心も似ている気がしますね。感情は海で、心はサンゴです(笑)。みんなと話す事で、そのバランスが取れている気がします。

あとは、やっぱり小笠原という環境。これはもう「何が」と説明できません。「豊かな自然がもたらしてくれる」とも言えますが、それだけではない気もします。もしかしたら、それこそが一番大きいのかもしれません。



■ ユースでは、色んな人に会えるということが大きいです。

― 小笠原ユースには何回泊まりましたか。

一回だけ、他の宿に泊まったことがありますが、それ以外は毎回、小笠原ユースに泊まっています。

―  なにが魅力で、小笠原ユースに毎回、泊まるのですか。

魅力といえば、色んな人に会えるという事が大きいです。色んなキャラクター、生き方に触れられてとても楽しいし、自分の世界が広がる。「そういうの、ありなんだ」みたいな(笑)。そして、やはり僕は小笠原ユースに愛着があります。お客さんのみならず、スタッフもやらせて頂いたし、僕にとっては特別な宿です。小笠原ユースには「帰ってくる」という感覚があります。何度か来るうちに、お互い知っていくヘルパーさんやお客さん、オーナーさん、みんなと再会するのが毎回、すごく楽しみです。そういう仲間、縁はこれからも、すごく大切にしていきます。小笠原ユースに出逢えて感謝です。



■ 「自分、ちょっと充電したいな〜」と感じている方にも、おすすめだと思います。

―  どんな人に小笠原をおすすめしますか。

海が好きな人には、もちろんおすすめです。ただ、浮き輪、スイカ割りみたいな海水浴というより、ダイビング、素潜り、シュノーケル向けだと思います。また、万人の感性ではありますが「自分、ちょっと充電したいな〜」と感じている方にも、おすすめだと思います。

―  どんな人に小笠原ユースをおすすめしますか。

一人旅の方には、まず、おすすめします。「ここ行くと楽しいよ」など、情報交換できるのはもちろん、色んな人と出逢い、話す機会を得られる。色んな人と会ったり話したりするのが好きな人には、特におすすめします。


■ 小笠原に、来てみて初めてわかる事、これが自分にとっては大きかったですね。

―  小笠原に来るか、迷っている人に対して、一言、お願いします。

来る前に調べられる情報、例えば、イルカがいたり、クジラが見えたりする事、海が綺麗な事、世界遺産候補地になる程の大自然は、確かに魅力です。ただ、僕にとっての小笠原の魅力は、島のある要素を抜き出したものではなく、全てをひっくるめて感じるものである気がします。それは、小笠原の空気や雰囲気、島独特のエネルギーのようなものだと思います。きっとこれが自分にもたらす影響がとても大きかった。それは「素」に近づける、自分本来の状態に戻れる、という事です。これは島に来る前にはわかりませんでしたし、未来の自分に説明されても分からなかったと思います。小笠原に、来てみて初めてわかる事、これが自分にとっては大きかったですね。


―  小笠原ユースに泊まろうかとうか迷っている人に対して、一言、お願いします。

仲のいい友達と来るのも楽しいと思います。でも、一人で来ても、むしろ一人の方が、ユースや島で会った方々と仲良くなれるのかもしれません。色んな人と出逢いたい人、楽しさを共有したい人には、小笠原ユースホステルがおすすめです。


お忙しい中、ありがとうございました。

※ 小笠原ユースホステルのWebサイト
※ 取材日時 2010年7月
※ お客様の声制作 小笠原父島旅行 海と生き物の学校 岡崎よしあき